辞表は、民間企業の経営者や役員(場合により課長以上の役職についている人も)が会社を辞める場合や、公務員が辞める場合に使います。
退職願は「従業員が使用者に対して退職(雇用契約の解約)を申し出るのもの」です。
一方、使用者と会社は雇用契約ではなく委任契約ですので、解約の際は退職願ではなく辞表となります。
それ以外の点については、基本的には退職願と同様です。
公務員は労働契約を結んでいない
公務員も辞表を使うと先に述べましたが、公務員は労働契約ではなく、行政からの任用行為によって働いています。
分かりやすく言い換えるなら、「行政から公務員になってくださいね」というお願いに基づいて働いています。
と言っても、採用されて働いているのは民間と同じです。契約の形態以外の違いを挙げるとしたら、
- 賃金等の労働条件を当事者で決められない
ということが挙げられます。
公務員の労働条件は全て法律で定められているため、民間の労働契約のように、当事者の合意によって労働条件を決めることはできなくなっています。あまり身近な話ではないので実感しにくいところですが、そういうことになっています。
公務員はこのような任用に基づいて働いているため、その任用を断る・辞めるために、辞表を出すということになります。