失業手当を受給中に病気になった場合
失業手当(基本手当)は「働く意思と能力があること」が支給の条件です。そのため、病気やケガで働けない場合は受給資格を失います。
ただし、「傷病手当(雇用保険のもの)」へ切り替えることで、最大30日間の給付を受けられます。これは健康保険の「傷病手当金」とは別の制度です。
失業手当の傷病手当に切り替える方法
- 医師の診断書を取得(働けないことの証明)
- ハローワークで「傷病手当の申請」を行う
- 認定されれば、基本手当と同額が最大30日間支給される
- 回復後に通常の失業手当の受給へ戻れる
退職後に健康保険の傷病手当金を受け取るケース
退職前に傷病手当金を受給していた場合、退職後も最長1年6ヶ月間は支給されることがあります。
退職後の傷病手当金を受けるための条件は以下の通りです。
- 退職前に傷病手当金を受給していた(または受給資格を満たしていた)
- 健康保険に継続して1年以上加入していた(任意継続を含む)
- 退職後も労働ができない状態が続いている
この場合、失業手当を受給せずに傷病手当金を継続することが可能です。
よくあるトラブル・間違えやすいポイント
1.失業手当と健康保険の傷病手当金は併給できない
傷病手当金と失業手当は「両方同時にもらうこと」はできません。どちらかを選ぶ必要があります。
- 病気で働けないなら → 健康保険の傷病手当金を選ぶ
- すぐに働けるなら → 失業手当を選ぶ
2.退職後に病気が発覚しても傷病手当金はもらえない
退職後に病気が判明しても、退職前に傷病手当金を受給していなかった場合は対象外になります。
3.失業手当の「傷病手当」は最大30日間しか出ない
ハローワークで申請できる「傷病手当」は最大30日間しか支給されません。それ以上の長期療養が必要なら、健康保険の傷病手当金を利用できるか確認しましょう。
4.健康保険の任意継続では傷病手当金はもらえない
退職後に「健康保険を任意継続」しても、新たに傷病手当金の受給資格は発生しません。退職前にすでに受給していた場合のみ、継続可能です。
経験者から一言
失業中に病気になると、精神的にも経済的にも大きな不安を抱えます。しかし、正しい知識を持っていれば、適切な支援を受けることが可能です。
迷ったら、まず確認すべきポイント
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病気になる前に傷病手当金を受給していたか?
- 受給していたなら、退職後も最長1年6ヶ月間もらえる可能性がある。
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すぐに働ける状態か?
- 働けるなら、失業手当を優先。
- 働けないなら、傷病手当を優先。
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ハローワークか健康保険組合、どちらに相談すべきか?
- 失業手当の傷病手当 → ハローワーク
- 健康保険の傷病手当金 → 健康保険組合
間違った申請をすると、もらえるはずのお金を受け取れなくなることもあるので、慎重に確認しましょう。困ったときはハローワークや健康保険組合に相談するのが確実です。
失業中の病気は誰にでも起こり得ることです。焦らず、今の自分にとって最善の選択をしましょう!