フリーターとして働いていると、「雇用保険に入るべきか？」と悩むこともあるでしょう。雇用保険に加入することで受けられるメリットがある一方で、加入条件や支払い義務を正しく理解しておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。本記事では、フリーターが雇用保険に加入するメリットとデメリットを詳しく解説し、よくある間違いや注意点も紹介します。
フリーターでも雇用保険に加入できる？
雇用保険の加入条件
フリーターでも、以下の条件を満たせば雇用保険に加入できます。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
これらの条件を満たしている場合、雇用主は雇用保険への加入手続きを義務付けられています。そのため、「フリーターだから雇用保険に入れない」というわけではありません。
加入しなくてもいいケース
一方で、以下のような場合は雇用保険に加入できません。
- 1週間の労働時間が20時間未満
- 31日未満の短期バイト
- 学生（例外あり）
特に「週に20時間未満しか働いていない場合は加入できない」という点を知らずに、「自分も雇用保険に入っているはず」と思い込む人もいるので注意が必要です。
フリーターが雇用保険に加入するメリット
失業手当（基本手当）を受け取れる
雇用保険に加入して一定期間働いていれば、仕事を辞めたときに**失業手当（基本手当）**を受け取ることができます。特に、フリーターは職場環境の変化やシフト減少などで退職を余儀なくされることも多いため、生活の安定を考えると大きなメリットになります。
基本手当の受給条件
- 離職前の2年間で通算12カ月以上雇用保険に加入している
- ハローワークで求職活動を行っている
- 自己都合退職の場合、3カ月の給付制限あり
フリーターの中には「辞めたらすぐに失業手当がもらえる」と勘違いしている人もいますが、自己都合退職の場合は待機期間（3カ月）を経ないと受給できないため注意しましょう。
教育訓練給付金が使える
雇用保険に一定期間加入していると、資格取得やスキルアップのための講座を受ける際に教育訓練給付金が利用できる場合があります。
【例】
- 介護職員初任者研修（ヘルパー）
- 宅地建物取引士（宅建）
- 医療事務資格
- 語学スクール（TOEICなど）
一定の条件を満たせば受講料の20～70%が支給されるので、将来的に正社員を目指すフリーターにとっては活用価値が高い制度です。
育児休業給付金や介護休業給付金が受けられる
雇用保険に加入していれば、フリーターでも育児休業給付金や介護休業給付金を受け取ることができます。特に女性のフリーターにとっては、将来のライフプランを考えるうえで大きなメリットとなります。
フリーターが雇用保険に加入するデメリット
毎月の給与から保険料が引かれる
雇用保険に加入すると、毎月の給与から保険料が天引きされるため、手取りが減ってしまいます。
【雇用保険料の計算例（2024年時点）】
-
アルバイトの給与が月10万円の場合
- 10万円 × 0.6%（労働者負担） = 600円
-
アルバイトの給与が月15万円の場合
- 15万円 × 0.6% = 900円
少額とはいえ、フリーターにとっては手取り額が減ることに不満を感じる人もいるかもしれません。
失業手当を受け取るには一定の条件が必要
前述の通り、失業手当を受給するためには一定期間の雇用保険加入が必要です。
また、自己都合退職の場合は3カ月の給付制限があるため、「仕事を辞めたらすぐにもらえる」と思っている人は注意が必要です。
加入手続きをしてもらえないケースもある
本来、雇用主は条件を満たしたフリーターを雇用保険に加入させる義務がありますが、中には手続きを怠る会社も存在します。
よくあるケース
- 週20時間以上働いているのに「バイトだから」と加入させてもらえない
- 雇用契約書を曖昧にして労働時間を低く見せる
- 「雇用保険に入ると手取りが減るから」と加入を避けるよう促される
このような場合は、労働基準監督署やハローワークに相談すれば対応してもらえることもあるので、泣き寝入りしないことが大切です。
まとめ：フリーターは雇用保険に入るべき？
フリーターが雇用保険に加入することには、「失業手当がもらえる」「教育訓練給付金が使える」「育児・介護給付金を受け取れる」といったメリットがあります。一方で、「毎月の給与から保険料が引かれる」「すぐに失業手当がもらえるわけではない」「加入手続きをしてもらえないリスクがある」といったデメリットも考慮する必要があります。
結論として、「長期間アルバイトを続ける予定なら加入がおすすめ」です。特に、失業手当や教育訓練給付金を活用すれば、将来のキャリアアップにもつながるため、メリットの方が大きいでしょう。ただし、加入条件を満たしているのに雇用主が手続きをしていない場合は、しっかり確認して対応することが重要です。
フリーターでも自分の将来を見据え、制度を上手に活用していきましょう！