給付日数がある程度残っている時点で就職すると、再就職手当が給付されます。パートやアルバイトに就いた場合は就業手当があります。
再就職手当
基本手当の受給資格のある方が安定した職業に就いた場合(雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって、雇用保険の被保険者を雇用する場合など)に 基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数 の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。
支給額は「所定給付日数の支給残日数×50%(または60%)×基本手当日額(※)」となります。
但し、給付制限3ヶ月間(自己都合退職者等)の最初の1ヶ月間内での就職の場合は、安定所または職業紹介事業者の紹介で就職したものでないと支給対象にならない等いくつかの条件があります。
給付率は、 基本手当の支給残日数により異なります。
- 所定給付日数の3分の2以上である場合・・・60%
- 所定給付日数の3分の1以上である場合・・・50%
上記給付率は、再就職した日が平成23年8月1日以後の方が対象となります。
再就職手当は、就職した日の翌日から1ヶ月以内に申請しましょう。代理、郵送による申請も可能です。
※ 失業保険の基本手当日額が基準になりますが、再就職手当を計算する際には、失業保険の基本手当日額の上限額とはまた別の、再就職手当用の基本手当日額の上限額が定められています。
再就職手当用の基本手当日額の上限額
(平成24年8月1日~平成25年7月31日のデータ)
- 離職時の年齢が60歳未満・・・5,870円
- 離職時の年齢が60歳以上65歳未満・・・4,756円
再就職手当を受けるための要件
再就職手当を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 7日間の待機期間を過ぎた後に就職、または事業を開始していること
- 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていること
- 離職した前の会社や、前の会社と資本や人事、取引などの面で密接な関わりがある会社に就職したものでないこと(新しい就職先が、前の会社と深い関わりのある会社ではないこと)
- 3ヶ月の給付制限がある場合、待機期間満了後1ヶ月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること
- 1年を超えて勤務することが確実であること(※1)
- 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
- 過去3年以内の就職について、再就職手当や常用就職支援手当の支給を受けたことがないこと(※2)
- 受給資格決定(求職の申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
- 再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと
※1 生命保険会社の外務員や損害保険会社の代理店研修生など、1年以下の雇用期間で契約更新に目標達成が条件付けられている場合や、派遣で雇用期間が定められており、契約の更新が見込まれない場合は、この要件に該当しません。
※2 事業を開始したときに給付される再就職手当も含めます。
就業手当
基本手当の受給資格がある方が、再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合に基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり一定の要件に該当する場合に支給されます。
パートやアルバイトのように、1日単位で雇用される仕事や、1年以内の契約で働く場合がこれにあたります。
再就職手当と同様、給付制限3ヶ月間(自己都合退職者等)の最初の1ヶ月間内での就職の場合は、安定所または職業紹介事業者の紹介で就職したものでないと支給対象になりません。
支給額 就業日×30%×基本手当日額
常用就職支度手当
就職日において45歳以上で、雇用対策法等に基づく再就職援助計画の対象者、障害のある方など就職が困難な方が、受給中に安定所の紹介厚生労働大臣の許可した有料・無料職業紹介事業者の紹介により安定した職業に就いた場合に支給されます。
支給要件は、支給残日数が所定給付日数の3分の1未満または45日未満であること、雇用期間が確実に1年以上であること、就職日前3年以内に再就職手当・早期再就職(者)支援金及び常用就職支度金(常用就職支度手当)の受給がないこと、再就職手当の支給要件に該当しないこと等があります。
平成21年度3月31日の法改正により、再就職した日において40歳未満で、かつ、同一の事業主に雇用保険の一般被保険者として一定期間継続して雇用されたことがない方も対象となりました。
支給額 90日(※)×40%×基本手当日額
※支給残日数が90日未満の場合は、支給残日数。支給残日数が45日を下回る場合は、45日。
※支給残日数について
ここで言う支給残日数とは、就職日の前日までの失業の認定を行った後の基本手当の支給残日数のことを指します。但し、その日数が、就職日(給付制限期間中に就職した場合は、当該給付制限期間の末日の翌日)から受給期間満了の日までの日数を超えるときは、就職日から受給期間満了までの日数が支給残日数となります。
再就職が早すぎるともらえない
自己都合退職をして、その後ハローワークの紹介以外で就職する場合、再就職手当がもらえるようになるためには、「待機期間7日間+給付制限1ヶ月経過後」を経過しなければなりません。離職後にすぐ手続きを行っていたとしても、およそ1ヶ月半です。この期間内に就職しても、再就職手当がもらえません。また、基本手当の支給も始まっていませんから、1円ももらえないまま、次の職に就くことになります。
ハローワークの紹介で就職したのであれば、この1ヶ月という期間は無いので、すぐに就職しても再就職手当がもらえます。(この場合も、待機期間の7日間を過ぎていることが必要です。)
裏技! 就業手当を敢えてもらわない
失業保険受給中にアルバイトをすると、就業手当がもらえるようになります。これにより、バイトの給料と就業手当と両方もらえるので、得したように見えます。
しかし、失業保険受給中にアルバイトをした場合は、その日は失業保険を受けられませんが、その日数分だけ失業保険は先送りにされ、後から受給することができます。ですから、バイトしたからと言って失業保険がもらえないというわけではありません。(条件はありますが)
また、就業手当は基本手当日額の30%しかもらえません。
バイトの給料もフルにもらいつつ、失業保険もフルにもらうためには、敢えて就業手当をもらわないようにするという方法があります。
就業手当は、支給残日数が3分の1以上かつ45日以上あることが条件なので、この条件を切ってから(残り日数が少なくなってから)バイトすると、失業保険を先送りしつつ、バイトの給料をもらえます。
但し、受給期間には注意しましょう。先送りしすぎて受給期間(消費期限)を過ぎたらダメですからね。