失業すると、収入が途絶え、家賃の支払いが難しくなることがあります。しかし、公的な住宅支援制度を活用すれば、住まいを守ることができます。本記事では、利用できる住宅支援の種類や申請方法、注意点について詳しく解説します。
利用できる公的住宅支援制度
無職の人が家を失わないために活用できる住宅支援制度はいくつかあります。
住居確保給付金(家賃補助)
住居確保給付金は、一定の条件を満たした場合、自治体が一定期間家賃を補助してくれる制度です。
対象者
- 失業・廃業している、または収入が減少し家賃の支払いが困難な人
- 世帯収入が一定額以下(自治体によるが、単身者なら約13万円前後の地域が多い)
- 預貯金が一定額以下(単身なら50万円以下が目安)
- ハローワークに登録し、就職活動を継続する意思がある
支給額・期間
- 家賃の実費(ただし地域ごとの上限あり)
- 最長3か月(延長申請で9か月まで可能)
申請方法
- 住んでいる自治体の福祉窓口で申請
- 収入や預貯金の証明、家賃契約書、ハローワーク登録証などを提出
よくあるトラブル・間違いやすいポイント
- 申請には就職活動の証明が必要(活動をしないと支給が打ち切られる)
- 延長申請には追加の手続きが必要(最長9か月なので、次の支援策も考えておく)
- 自治体ごとに支給条件が異なるため、住んでいる地域の詳細を確認すること
公営住宅(低所得者向け住宅)
公営住宅(都営住宅、市営住宅、府営住宅など)は、低所得者向けに提供されている家賃の安い住宅です。
対象者
- 一定の収入以下(無職で収入がない場合、ほぼ対象になる)
- 現在の住居が不安定であること(家賃が払えない、退去を求められているなど)
- 日本国籍または在留資格を持つ外国籍の人
申請方法
- 各自治体の住宅供給公社や役所で応募
- 抽選制のため、すぐに入居できるとは限らない
よくあるトラブル・間違いやすいポイント
- 抽選に当たらないと入居できない(すぐ住めるわけではない)
- 応募期間が限定されている(年に1〜2回しか募集しない自治体も多い)
- 家賃は収入に応じて変動するため、再就職後に家賃が上がる可能性がある
生活保護による住宅扶助
生活保護を受けると、住宅扶助として家賃を負担してもらうことができます。
対象者
- 資産や預貯金がほとんどない
- 他の支援制度では生活が成り立たない
- 仕事を探しているが収入がない
申請方法
- 住んでいる地域の福祉事務所で申請
- 収入証明、資産状況、生活状況を提出
よくあるトラブル・間違いやすいポイント
- 厳しい審査がある(申請が通らないケースもある)
- 家賃が自治体の基準を超えると補助されない
- 生活保護受給中は原則として貯金できない(収入があると支給が減額される)
家を失わないためにできること
公的支援を利用するだけでなく、できるだけ早く生活を安定させるための対策を取ることも重要です。
家賃交渉・支払い猶予の相談
大家さんや管理会社に相談すれば、一時的な家賃の減額や支払い猶予を認めてもらえることもあります。特に長期間住んでいる場合や、家賃の滞納が初めての場合は、交渉の余地があります。
シェアハウスや安価な住居への引っ越し
公的支援が間に合わない場合は、家賃の安い住居やシェアハウスに移ることも選択肢の一つです。短期的に住める「ゲストハウス」や「ウィークリーマンション」を利用する手もあります。
短期の仕事や副業で収入を確保
住居確保給付金を受けながらでも、短期・単発の仕事なら可能な場合があります。クラウドワークスなどの在宅ワークで少しでも収入を得ておくのも有効です。
経験者としてのまとめ
失業中に家を失うことは、精神的な負担が大きく、生活再建のハードルを高めます。しかし、実際には自治体の支援制度を利用すれば、一定期間は家賃を補助してもらうことができます。
私自身も、過去に失業して家賃の支払いに困ったことがありました。最初は住居確保給付金の存在を知らず、貯金を切り崩していましたが、申請してみたらすぐに支給され、家賃の不安が軽減されました。
また、公営住宅の抽選にも申し込みましたが、当選までに時間がかかるため、並行して就職活動を進めることが大切だと実感しました。もしすぐに支援を受けたい場合は、ハローワークや福祉窓口で相談するのが一番です。
「家を失うかも」と思うと焦りますが、冷静に情報を集め、できることから一歩ずつ進めれば解決策はあります。支援制度は知っているかどうかで大きな差が出るので、困ったときは遠慮せずに活用しましょう。