雇用保険と失業保険の違い:よくあるトラブルと間違えやすいポイント

雇用保険と失業保険は、似たように見えて違う制度です。どちらも仕事を失った際の経済的な支援を目的としていますが、役割や適用の仕方が異なります。以下に、それぞれの制度について詳しく解説し、混同しやすいポイントやよくあるトラブルについても触れていきます。

1. 雇用保険とは?

雇用保険は、働く人が失業したときに生活の安定を図るための保険制度で、主に以下のような支援を提供しています。

  • 失業給付(失業保険としてよく知られるもの)
  • 再就職手当職業訓練給付などの再就職支援
  • 育児休業給付介護休業給付といった特別な休業に対する支援

雇用保険に加入することで、将来失業した場合や休業期間中に必要な支援を受けられます。保険料は給与から天引きされ、雇用主も一部を負担します。

2. 失業保険とは?

失業保険とは、雇用保険の給付のひとつで、正式には基本手当と呼ばれます。具体的には、雇用されていた人が何らかの理由で失業した際に、次の仕事が見つかるまでの生活を支えるために支給される給付金のことを指します。

失業保険は、雇用保険の被保険者期間が一定期間以上ある場合に、失業認定を受けることで支給されます。つまり、「雇用保険」が上位の制度であり、「失業保険」はその中に含まれる支給項目という位置づけです。

よくあるトラブルと間違えやすいポイント

  1. 「雇用保険に入っていれば失業保険がもらえる」と勘違い
    • 雇用保険に加入していても、自己都合退職の場合は待機期間があったり、受給要件を満たさないことがあるため、必ずしもすぐに失業保険がもらえるわけではありません。
  2. 退職理由で受給条件が異なる
    • 会社都合退職と自己都合退職では、失業保険の給付開始までの期間が異なります。自己都合退職では給付制限期間(3か月程度)がありますが、会社都合の場合は短縮されることが多いです。
  3. 育児休業給付などが失業保険と混同される
    • 育児休業や介護休業給付も雇用保険の給付の一環ですが、失業保険とは別です。これらは特定の条件を満たした休業中に支給されるもので、失業認定を受ける失業保険とは目的や条件が異なります。
  4. 再就職手当の申請を忘れる
    • 再就職が決まった場合に受けられる再就職手当は、早期に再就職した場合にのみ受給できます。しかし、申請期限を過ぎてしまうと受け取れないため、早めに手続きを行う必要があります。
  5. 失業保険を受給中にアルバイトをするときの報告義務
    • 失業保険受給中にアルバイトや短期の仕事をした場合、その都度ハローワークに報告しなければならない点も忘れがちです。報告を怠ると不正受給とみなされ、返金が求められることがあります。

失業保険の受給経験者から

雇用保険の失業手当(いわゆる失業保険)は、失業時の生活をサポートする重要な制度ですが、中身を理解していないと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

私自身、再就職手当の申請を忘れかけたことがあり、申請を行うまでに焦る経験をしました。また、アルバイトをした際に報告を失念した友人が、不正受給のリスクを指摘されるケースも見てきました。

退職や失業を考えたときには、早めに失業保険についての正しい知識を身につけ、ハローワークに相談することをおすすめします。丁寧な準備と理解があれば、失業中でも安心して次のステップに進むことができます。失業保険があるか無いかは大きな違いです、本当に。

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