会社を退職すると、年末調整や確定申告のために「源泉徴収票」が必要になります。しかし、中には会社がスムーズに発行してくれないケースもあります。本記事では、源泉徴収票をもらえない場合の対処法を詳しく解説します。
源泉徴収票とは?なぜ必要なのか
源泉徴収票の役割
源泉徴収票は、1年間の給与や天引きされた税金の情報が記載された書類です。主に以下の目的で必要になります。
- 転職先で年末調整を行うため
- 確定申告で税金を調整するため
- 住宅ローンやクレジットカードの審査で提出を求められる場合があるため
会社は、退職者に対して源泉徴収票を発行する義務があります。しかし、発行が遅れたり、最悪の場合、発行してもらえないこともあります。
会社が源泉徴収票をくれない理由
会社側のミスや対応の遅れ
- 単なる手続きミス(担当者の手続き漏れや忘れ)
- 年末の忙しさで後回しにされている
悪意を持って渡さないケース
- 嫌がらせとして発行を渋る(退職トラブルがあった場合など)
- 源泉徴収票を発行したくない事情がある(未納の税金が発覚するなど)
会社がすでに倒産している場合
- 担当者がいなくなり、手続きが放置されている
- 会社の財務資料が整理されておらず発行が困難
源泉徴収票がもらえない場合の対処法
まずは会社に正式に依頼する
最初に、会社に対して 文書またはメール で正式に依頼をしましょう。口頭だけでは後々トラブルになることもあるため、記録が残る形が望ましいです。
依頼のポイント
- 退職後も源泉徴収票の発行義務があることを伝える
- 発行の期限(通常は退職後1か月以内)を指摘する
- できるだけ具体的な期日を指定する(例:「〇月〇日までに発行をお願いします」)
依頼メールの例文
件名:源泉徴収票の発行についてのお願い
〇〇株式会社
経理担当者様お世話になっております。先日退職いたしました〇〇(氏名)です。
退職後の手続きのため、源泉徴収票の発行をお願いしたく、ご連絡いたしました。
お手数ですが、〇月〇日までにご対応いただけますと幸いです。何か手続き等でご不明点がありましたら、お知らせください。
何卒よろしくお願いいたします。〇〇(氏名)
連絡先:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
会社が対応しない場合の次の手段
税務署に相談する
会社が源泉徴収票を発行しない場合、 税務署に相談すれば代わりに対応してもらえる 可能性があります。
対応手順
- 会社所在地を管轄する税務署に問い合わせる
- 退職した会社が源泉徴収票を発行しないことを伝える
- 必要書類(給与明細や退職証明書など)を用意する
- 税務署から会社へ指導を入れてもらう
税務署は会社に対して「源泉徴収票を発行するように」という指導を行うことができるため、多くのケースではこれで解決します。
会社が倒産してしまった場合の対処法
会社がすでに倒産している場合、経理担当者がいないため通常の手続きが難しくなります。
1. 給与明細を用意する
源泉徴収票の代わりとして、給与明細や支給額の証明書を集めておくと、確定申告時に代替書類として使える場合があります。
2. 税務署に相談する
会社が倒産した場合も税務署に相談可能です。支払われた給与の証拠(給与明細、振込記録など)を持参し、源泉徴収票の代わりに確定申告の方法を相談しましょう。
よくある間違いや注意点
給与明細があるから確定申告しなくても大丈夫?
給与明細だけでは税金の計算が正確にできないため、 源泉徴収票がない場合でも確定申告を忘れないようにしましょう。
会社とトラブルになるのが怖い…
会社に強く請求するのが不安な場合は、税務署を通じて間接的に対応してもらう ことで、トラブルを避けながら解決できる可能性があります。
源泉徴収票はいつもらえるのが普通?
法律上は「退職後1か月以内」に発行されるのが基本です。もし1か月以上経っても届かない場合は、早めに対策を講じましょう。
まとめ:経験者から一言
私自身、過去に退職した際に源泉徴収票がなかなか届かず、会社に何度も連絡を入れた経験があります。最初は「そのうち届くだろう」と待っていましたが、結局催促しなければ発行されませんでした。
学んだことは以下の3つです。
- 退職前に源泉徴収票の発行時期を確認しておくと安心
- 発行を渋られたら税務署に相談すれば解決することが多い
- 転職活動や確定申告に影響が出るので早めに動くのが重要
源泉徴収票がないと、転職先の年末調整や確定申告に支障が出ることもあります。 「待つ」よりも「行動する」ことが大切です。
もし会社が対応しない場合は、早めに税務署に相談し、スムーズに手続きを進めましょう。