正社員ではないから失業保険はもらえないかもしれない、なんてこと思っていませんか?
今一度、失業保険がもらえる条件を確認してみましょう。
正社員でも契約社員でも失業給付の条件はほぼ同じ
失業保険がもらえる最低限の条件は以下です。
- 雇用保険に加入していること
- 雇用保険に加入し、被保険者である期間が通算12か月以上であること
この2つの条件を満たせば、正社員でも契約社員でも、さらにはパートやアルバイトでも失業給付を受給することができます。
失業保険は「どのような勤務形態や地位であったか」ではなく「雇用保険に加入していて、12か月以上雇用保険料を支払っていたかどうか」なのです。
12か月以上雇用保険料を支払っていれば、誰でも失業給付の受給資格を得ることができるのです。
ですので、決して「正社員ではないから」と失業保険をあきらめる必要はありません。給料明細を確認して雇用保険料が差し引かれていれば、胸を張ってハローワークで失業認定を受けに行きましょう。
契約社員特有の「契約期間」が給付制限のボーダーに
契約社員の失業保険のもらえる条件は正社員などと同じですが、会社を辞めるタイミングによっては自己都合でも会社都合でも「給付制限期間」がなくなるケースがあります。失業保険の「給付制限」は3か月ありますから、その間無収入でいるか毎月1度失業給付を受給できるかは大きな違いになりますよね。
契約社員特有ともいえるこの給付制限の解除、実は「契約期間満了」という言葉がキーワードになります。
自己都合退職なのに3か月の給付制限がない!?
「契約期間満了」ということは次の「契約更新時」ということですが、このときに自分から「もう契約更新をしません」というと、退職しても給付制限期間がなくなるのです。
自分から「契約更新しません」と言うってことは、自分から退職を申し出る形になるので、通常であれば3か月の給付制限がつくんですが、契約社員の場合は3か月の給付制限がつかないんです。
もちろん、会社から「もう更新しません」となった場合は会社の都合で更新をしないわけですので、文句なしに給付制限はつきません。
しかし、基本的に契約社員の「契約期間満了」での退職は「自己都合退職」として扱われます。ですから契約社員の失業給付は、自己都合退職でも会社都合退職でも給付制限期間はありませんが、給付日数は会社都合であったとしても自己都合退職の日数となります。
但し、全ての契約社員にとって、失業保険の給付制限が無いかというと、そうでもありません。契約社員であっても同じ会社で3年以上働いていた場合は、給付制限がついてきます。
3年以上働いていると事実上は「正社員扱い」に!?契約満了でも給付制限がついてしまう?
契約社員として3年以上同じ会社で働いている場合は事実上「正社員」として扱われてしまいます。「正社員扱い」ということは、「契約期間満了時に退職しても、正社員の自己都合退職と同様になり給付制限3か月がある」とうことです。
3年以上契約を更新して同じ会社で働いている場合には、会社側からの「契約更新はしない」という、いわば「解雇通告」がないと給付制限期間が解除にならないんです。注意しておきましょう。
3年以上働いていた場合は、会社都合退職=特定受給資格者
3年以上同じ会社で働いていてなおかつその間契約を1回以上更新している場合は、会社都合の「特定受給資格者」に該当するケースもあります。
この場合は1回以上契約更新をしながら3年以上働いていたにも関わらず会社側から「次回の更新はしないよ」と「更新なしの契約期間満了」となった場合は、正社員の解雇と同様に「特定受給資格者」となり、3か月の給付制限の解除とあわせて受給日数は「会社都合の場合」の日数になります。
多くはないでしょうが、もし3年以上の契約期間で1度も契約更新をしていない場合はこの「特定受給資格者」には該当しなくなりますので、会社側から更新しないと言われても会社都合にはならずに、3か月の給付制限と自己都合退職の受給日数になります。
契約社員を更新し続けて定年になった場合
また、契約社員として契約更新を続けてそのまま定年退職になった場合はどうなるでしょうか。
この場合も解雇や倒産など会社都合で退職になったわけではなく、「会社の規則に則って定年を迎えた」だけなので会社都合の退職にはなりません。つまりは自己都合退職扱いとなり、失業給付を受給するまでに3か月の給付制限がつきます。
定年退職は自分の都合ではないのですが、解雇通告と同等にはならないということですね。
契約社員の失業保険給付の確認ポイント
このように契約社員の失業保険給付については「正社員と同じ部分」と「契約社員特有の条件」があります。なので、ご自分が失業給付を受ける際にはどのケースに該当するのか確認する必要があります。
- 自分は雇用保険に加入しているか
- 12か月以上雇用保険料を支払っているか
- 勤務した期間はどれくらいか、更新はあったかなかったか
- 退職理由が自己都合なのか会社都合になるのか
これらによって給付制限や受給日数が左右されるのが「契約社員」ということです。