失業保険の不正受給について徹底解説:よくあるトラブル事例

失業保険は、仕事を失った人が生活の安定を保つための重要なサポートです。しかし、このありがたい制度も、間違った利用をすると「不正受給」とみなされる場合があります。知らないうちに不正受給になってしまうケースも少なくないので、よくあるトラブルや間違えやすいポイントを理解しておきましょう。

不正受給の罰則には、返還だけでなく、受給額の最大3倍までの追加徴収も含まれるため、悪意がなくても高額なペナルティにつながりかねません。

よくあるトラブル・間違えやすいポイント

1. アルバイトや副業の未申告が招くトラブル

失業保険を受給している間は、たとえ短時間や単発のアルバイト、副業であっても、働いた日や収入をきちんとハローワークに申告する必要があります。未申告が発覚すると、「不正受給」とみなされ、ペナルティを課される可能性があります。例として、以下のケースが挙げられます。

  • 短時間の単発バイト:イベントの手伝いや日雇いバイトなど、1日のみのバイトも申告が必要です。
  • 報酬の代わりに「物品」:金銭でなく、商品券や物品などで報酬を受け取った場合も報告対象です。
  • 収入が少額だからと油断:数千円の報酬でも正確に申告する必要があります。

「バレないだろう」と思いがちですが、雇用先が社会保険の手続きや税金関係で申請を行うため、後から発覚するケースも多いです。未申告が発覚すると、失業保険の返還請求と追加のペナルティが課せられる可能性があります。

2. 内定が決まった後も受給を続けるリスク

内定が決まった場合、失業保険の受給資格は消滅しますが、仕事開始までの期間に「つい少しだけもらいたい」と思う人も多いでしょう。しかし、内定が決まった時点で速やかに報告しないと、これも不正受給と見なされます。内定日以降に失業保険を受給した場合、以下のようなトラブルが発生します。

  • 新しい会社の社会保険に加入する:ハローワークと社会保険は連動しているため、内定後の保険加入情報が漏れなく記録されます。
  • 会社の契約内容や内定証明:ハローワーク側から確認が取られる場合もあり、勤務前の数日間でも受給を続けるとトラブルの原因になります。

「あと少しだけ受給したい」という気持ちは分かりますが、受給資格が消滅した段階で潔くハローワークに報告しましょう。

3. 給付制限期間中の「求職活動」の偽装申告

自己都合退職の場合、失業手当の支給が始まるまでに3ヶ月の給付制限期間がありますが、この期間を早めたいと考えるあまり、「求職活動」を偽装するケースも見られます。求職活動は、以下のいずれかを満たす必要があります。

  • ハローワークでの職業相談:定期的にハローワークを訪問し、相談記録を残します。
  • 実際の面接:面接を受けた履歴を残す必要があります。
  • 求人への応募:企業に実際に応募し、求人活動の証拠を残す必要があります。

しかし、活動実績を偽装して申請すると、ハローワークの担当者に疑われ、詳細な確認を受けることも。失業手当の受給が遅れることを防ぎたい気持ちは分かりますが、正直に報告することが一番の近道です。

4. 家族経営のビジネス手伝いが招く誤解

家族経営のビジネスを手伝っている場合、勤務時間が少ない、報酬がないからといっても、これが「就労」とみなされることがあります。失業手当の対象者として、以下の点に注意が必要です。

  • 親族の店や会社で手伝いをする:定期的に業務に従事していると「働いている」とみなされます。
  • 報酬を受け取っていない場合でも注意:報酬が無い場合でも、頻繁に手伝っていると就労と見なされ、不正受給と判断される場合があります。

家族だから大丈夫という感覚で申告を怠ると、結果として大きなトラブルに発展する可能性があるため、注意が必要です。

意図していなくても発生することに注意!

失業保険の不正受給は、意図していなくても発生する可能性があり、私たちの「ちょっとくらいなら…」という気持ちが招くことも多いものです。私も一度、失業保険を受給している最中に、友人から短期のアルバイトの誘いを受けたことがありますが、安易に受けてしまうと後が怖いですよね。私はハローワークで大丈夫かどうかを確認しました。確認することは悪くありませんからね。

失業保険を最大限に活用するためには、少しの利益を得ようと考えず、制度を正しく利用することが何より大切です。「これくらい大丈夫だろう」という安易な考えが、不正受給という大きなリスクを招きます。バレないだろうと思うのは禁物ですし、どんな小さな活動でも報告し、ハローワークに相談することでトラブルを未然に防ぐことができます。

最終的には「自分が得するため」という気持ちではなく、誠実な対応が一番の節約方法です。

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