転職活動を始める際、「ハローワークと民間転職支援サービス、どちらを利用すべきか?」と迷う人は多いでしょう。さらに、雇用保険の給付がどちらの方法を選んでも問題ないのか、不安に感じることもあります。
この記事では、それぞれの役割や違い、給付への影響について詳しく解説します。
ハローワークとは?
ハローワーク(公共職業安定所)は、厚生労働省が運営する公的な職業紹介機関です。無料で求職者の就職支援を行い、失業保険(雇用保険)の手続きも担当しています。
ハローワークの主なサービス
- 求人情報の提供(全国の企業の求人が検索可能)
- 職業相談・キャリアカウンセリング
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接対策のアドバイス
- 職業訓練(スキルアップ講座)
- 失業保険(雇用保険)の申請・給付管理
ハローワークのメリット
- 公的機関なので信頼性が高い
- 地方の中小企業の求人が豊富
- 無料で職業訓練を受けられる
- 雇用保険を受給しながら転職活動できる
ハローワークのデメリット
- 求人の質がバラバラ(ブラック企業が含まれることも)
- サポートが事務的で個別の対応が手薄になりがち
- 希望する業種・職種の求人が少ないことがある
民間転職支援サービスとは?
民間の転職支援サービスは、企業と求職者をマッチングすることを目的とした人材紹介会社や転職エージェントのことです。人材会社は企業から成功報酬を得る仕組みなので、求職者は基本的に無料で利用できます。
民間転職支援の主なサービス
- キャリアアドバイザーによる個別サポート
- 履歴書・職務経歴書の作成アドバイス
- 面接対策・模擬面接の実施
- 企業との日程調整・年収交渉の代行
- 非公開求人の紹介(企業サイトやハローワークに出ない求人)
民間転職支援のメリット
- 企業とのパイプがあり、非公開求人が多い
- 面接の日程調整や年収交渉を代行してくれる
- 業界に特化した専門アドバイザーのサポートを受けられる
民間転職支援のデメリット
- ハローワークと比べて地方の求人が少なめ
- 希望する業種やスキルによっては紹介される求人がないことも
- 転職を急かされることがある(人材会社は成功報酬制のため)
ハローワークと民間転職支援、どちらが雇用保険の給付に影響する?
結論から言うと、どちらの方法で転職活動をしても雇用保険の給付は可能です。ただし、ハローワークと民間転職支援では、求職活動の認定方法に違いがあります。
雇用保険の基本ルール
雇用保険を受給するためには、「積極的に求職活動を行っている」ことを証明する必要があります。そのため、求職活動を定期的に行い、ハローワークで申告する必要があります。
求職活動の認定基準
活動内容 | 認定されるか? |
---|---|
ハローワークの求人に応募 | 〇(求職活動とみなされる) |
ハローワークの職業相談を受ける | 〇(求職活動とみなされる) |
民間の転職エージェントで求人紹介を受ける | 〇(求職活動とみなされる) |
民間の転職サイトで求人検索 | △(応募すれば求職活動とみなされる) |
職業訓練を受ける | 〇(認定されるが内容による) |
友人・知人の紹介で転職活動 | ×(求職活動として認定されないことが多い) |
よくあるトラブル・間違えやすいポイント
転職エージェントを使っていて雇用保険の認定を忘れる
転職エージェントを利用して転職活動をしていても、ハローワークで求職活動として申告しなければ、雇用保険の給付が止まることがあります。
エージェントの紹介でも、応募実績を作り、ハローワークで報告することが大切です。
求職活動回数が足りず、給付が遅れる
失業保険の受給には、4週間に2回以上の求職活動が必要です。
ハローワークに行くだけでは足りず、応募や面接などの実績を増やす必要があります。
ハローワークの求人が希望と合わないため放置してしまう
「ハローワークの求人は自分の希望と違う」と思って何もしないと、雇用保険の給付が受けられなくなる可能性があります。
職業相談やセミナーに参加するだけでも求職活動と認められるため、定期的にハローワークを利用するのが得策です。
まとめ:経験者から一言
実際にハローワークと民間転職支援の両方を利用した経験から言うと、どちらも組み合わせて利用するのが最も効率的です。
- 短期間で再就職したいなら → 転職エージェントを活用し、面接対策や非公開求人を狙う
- じっくり転職活動したいなら → ハローワークの職業訓練や手厚いサポートを活用する
- 雇用保険を受給しながら活動するなら → ハローワークで定期的に活動記録をつける
転職活動は、自分のペースに合った方法を選ぶのが大切です。ハローワークだけ、民間転職支援だけに偏らず、両方を賢く使い分けて、納得のいく転職を目指しましょう!